住宅ローンを返済中に、他にも自動車ローンや教育ローン、クレジットカードの残債など複数の借入がある方も多いのではないでしょうか?
家計を見直す際に注目されるのが、**住宅ローンとその他のローンを一本化できる「おまとめローン」**の存在です。この記事では、住宅ローンと他の借入をまとめる方法、そのメリット・デメリット、利用可能な金融機関、注意点まで詳しく解説していきます。
【1】住宅ローンと他の借入をまとめる方法とは?
住宅ローンと他の借入をまとめるには、いくつかの方法があります。
◼ 方法1:住宅ローン借換時にまとめる
住宅ローンの借り換えをする際に、他のローン(自動車ローンや教育ローンなど)も一緒にまとめて一本化する方法です。これにより、返済の一体化が実現します。
◼ 方法2:住宅ローンプラス型ローンを活用
一部の金融機関では、住宅ローンの一部として他の借入を組み込むことができる商品を提供しています。
例:
- 住信SBIネット銀行「住宅ローンプラス」
- みずほ銀行「多目的ローン併用型住宅ローン」
これらの商品では、他のローンを住宅ローンと同時に借りるか、借換時に統合できる設計となっており、金利の低下や返済管理の簡略化が期待できます。
◼ 方法3:フリーローンやおまとめローンを別途利用
住宅ローンとは別に、フリーローンやおまとめローンを使って他のローンを一本化するケースです。ただし、この場合は金利が住宅ローンより高くなる傾向があります。
【2】おまとめローンのメリット(住宅ローン併用型)
◼ 管理が楽になる
住宅ローンと他の借入を一本化することで、返済日・返済口座・利息の確認などが一元化でき、家計管理が格段にしやすくなります。
◼ 返済総額を抑えられる可能性がある
金利の高い自動車ローンや教育ローン、クレジットカードのリボ払いなどを住宅ローンの金利(年1〜2%台)にまとめることで、利息総額を抑えることが可能です。
◼ 信用情報の見た目が改善される
複数のローンが一本化されることで、信用情報上の借入件数が減少し、今後の審査において好印象となることもあります。
【3】おまとめローンのデメリット(住宅ローン併用型)
◼ 金利が住宅ローンより上乗せされる場合がある
「住宅ローンプラス」のような商品では、他の借入分には住宅ローンとは別の金利(例:2.5〜3.5%)が適用される場合があり、住宅ローンの部分よりも高金利となることも。
◼ 利用可能な金融機関が限られている
すべての銀行がこのような商品を提供しているわけではなく、対応している金融機関はごく一部に限られます。また、地域限定の商品も存在します。
◼ 審査が厳しくなる可能性がある
住宅ローンの審査に加えて、他の借入分も含めた総額審査となるため、通常の住宅ローンよりも厳しいチェックが入るケースもあります。
【4】利用可能な金融機関の例
住宅ローンと他の借入をまとめることができる代表的な金融機関には以下のような例があります。
◼ 住信SBIネット銀行「住宅ローンプラス」
- 住宅購入時にリフォーム費用や家電購入資金、他のローンをまとめて借りられる
- 借入金額に応じて住宅ローンと異なる金利設定がされる
- オンライン申し込みが可能
◼ みずほ銀行「多目的ローン併用型住宅ローン」
- 教育資金、自動車資金、引越し費用などとまとめて借り入れ可能
- 返済期間や金利の柔軟性が高い
◼ ファミリーライフサービスの住宅ローン商品
- 自社提携の金融機関による商品で、諸費用や既存ローンの整理にも対応可能
※上記の商品は、取り扱い条件や審査基準が異なるため、事前に必ず詳細を確認することが重要です。
【5】利用時の注意点
◼ 住宅ローン控除の対象外になることがある
おまとめ対象に含めた借入金は、住宅ローン控除の対象外となる場合があるため、税制上のメリットが小さくなる可能性があります。
◼ 総借入額が増える可能性
ローンを一本化しても借入金そのものが増えるわけではありませんが、一本化を機に追加借入をしてしまう人も多く、結果的に借入総額が増えるケースもあります。
◼ 借入目的と利用用途に制限がある
「住宅関連費用以外に使えない」「自動車ローンは対象外」など、用途が限定される場合もあるため、事前に商品概要をよく読むことが大切です。
まとめ:住宅ローンと他ローンをまとめる選択肢は“慎重な判断”がカギ
住宅ローンと他の借入をまとめることで、返済の一本化や金利の軽減といった大きなメリットを得ることができますが、一方で金融機関の制限や審査の厳しさ、税制面での注意点もあります。
特に重要なのは、
- 金利差によって本当にお得になるのか?
- 審査に通る条件を満たしているか?
- 税制面で不利益を受けないか?
といった点をしっかり確認した上で利用を検討することです。
便利さだけで飛びつかず、全体の返済計画・将来の家計設計を見据えて慎重に判断することが、成功のカギとなるでしょう。
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